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このシナリオだと毎分3,060の報告が必要になる。

同様な計算をドーバーについて行った結果は、報告数毎分2,550であった(船舶数480)。

 

4.2 ディスプレー要件

データが航海者にとって有用であるためにはディスプレーの要件を考えなければならない。理想的には、情報はレーダー及び/又は電子海図情報表示装置(ECDIS)に表示されることが望ましい。画面に表示されるものが多くなり過ぎる危険を考慮しなければならない。データ処理により船にとって直接関心のあるもの以外は排除することが最も望ましい。主要レーダー標的と無線トランスポンダ標的の相関が必要になると思われる。既存のレーダー及びECDISにはこの能力はないので、第一段階として無線トランスポンダ自体がデータを保存して照合することができよう。そうであれば、レーダーは船上の装置の保存情報を探して標的に関するデータを得ることができるであろう。これに変わるものとして、無線トランスポンダが受信したメッセージを単純なモニターに表示させる可能性もある。

 

4.3 船舶と陸上との情報交信:今後の発展

上述のように二三の国際団体がこの問題の検討を約束している。例えば、1996年4月にロッテルダムで開催された第8回VTSに関する国際シンポジウムの幾つかの結論は今後の発展の可能性を示している:

1) 海洋環境保護へのVTSの関与が増す。

2) 船舶交通規制のためのルート決定措置の役割と使用が増す。

3) VTSが確立されていない区域でも船舶交通をモニターする傾向が増える。

4) 船舶交通管理と補給の両方の目的でVTSセンター間での情報交換の必要が増す。VTSが設けられていない区域での所謂交通イメージの開発は交通監視及び事故などの場合の迅速で直接的対応のための費用効果の高い代替え方法である。

5) 関連情報の流れが維持されることは不可欠であるが、特に船舶交通の激しい区域では言葉による通信を減らすことが一般に要求されるようになる。通信における規律並びにと情報放送の提供はVTSの通信チャンネルの負担を軽減できる。電子データ通信の使用増加に向かっての発展が予測される。

6) トランスポンダが船舶の報告及び海上交通の監視を支援できるVTS域においてトランスポンダのための可動台要件の導入が至急必要である。トランスポンダは船舶の識別、追跡及び監視を支援でき、情報の送受信ができなければならない。シンポジウムはこの装置のための性能基準並びに可動台要件についてのIMO及びIALAの現在の活動を歓迎している。

7) 新技術はVTSと、例えば電子海図装置のような船上の装置との相互作用データリンクの使用に行き着くであろう。そのような装置と、既存又は今後開発される陸上装置との互換性及び相互操作性を考慮しなければならない。海上交通管理の分野でのデータ通信の使用に関する国際基準の制定を促進するべきである。かかる研究及び実演プログラムはアメリカが作成した初期「総合船上情報技術」(I

 

 

 

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